七色くれよんが古文を授業で習い始めた頃、おそらく中学生の時だったと思うのですが、そこではじめて「伊勢物語」の東下りの段を教科書で読みました。当時は「伊勢物語」の前後の話も説明されなかったし、在原業平のこともよくわからず、当時の習慣・文化なども授業内では説明を受けなかったので、ただひたすら教科書を読み、現代語に直して読むだけ、それほど話にのめり込めなかったのです。
そんな退屈な授業だったのですが昔男のよんだ「唐衣(からころも) きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅(たび)をしぞ思ふ」〜カキツバタ〜の折句だけは面白くずっと忘れずにいたのでした。
素直に上から読んだ意味だけでなく、一つの言葉に意味や想いがもう一つ込められていたり、言葉遊びにもなっていて、なんて素敵な世界なのだろう、と感動したのでした。それ以来忘れられない「伊勢物語」。高校時代には予備校の古典の講義でも2〜3回は「伊勢物語」が出ていたように思うのですが、講師の先生にとっては当たり前でもあり、興味があれば自分で読みなさいということなのでしょう、当時も「伊勢物語」の全体像はよくわからずに過ぎてしまっていたのでした。
いつかは読みたい。
そう思っていてもなかなか、どんなものを読んだらいいのかさっぱり。もちろん古文のまま読んでもチンプンカンプンに決まってます。
この夏の旅行の行き先が決まった時点でやっぱり読まなくては、ということで「
伊勢物語 (角川ソフィア文庫 82 ビギナーズ・クラシックス)
」を「
古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
とあわせて購入したのでした。
全体の流れをざっと掴む、簡単に読むにはちょうどよい単行本です。古文と現代語訳、その段の解説、歌の解説が詳しく載っていて楽しく読めます。平安時代の価値観がグッとわかりやすく親しみを感じます。「昔男」は歌を詠む知的さ、その時に想っている女性に対する情熱(想う対象の女性はコロコロ変わるのですけど)、周囲への気配りなど、やはり魅力的です。